i-fm茨城放送は、FM水戸局94.6MHz、日立局88.1MHz、AM水戸局1197kHz、土浦・県西1458kHzで茨城県内をカバーするラジオ放送局です。

番組審議会議事録概要

平成27年6月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
平成27年6月24日(水)
AM10:30~PM0:00
開催場所
茨城放送本社会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 (*)
  • 米 倉 達 広 (・)
  • 小 西 俊 一
  • 武 山 忍
  • 菊 地 克 幸
  • 池 元 和 典

茨城放送出席者

代表取締役社長
北 島 重 司
常務取締役兼業務局長
高 橋 正 良
審議室長兼業務局編成制作部長
鴨 川 貴 史
番組プロデューサー
畑 中 一 也
議題
「3.11 あの瞬間(とき)を忘れない 空と海との間には」 (放送日:2015年3月8日(日)12:00 ~ 12:45)

委員からの意見

 

委 員

船のエンジン音など臨場感があり、現場に出かけての放送の魅力を感じた。ベテランリポーターの現場インタビューや番組内のナレーションは聴きやすく、リスナーが求めている内容だと思う。取材先についてもそれぞれの立場から様々な話があり、人選が適切だった。特に漁業者の声は震災時の様子と現在の状況が伝わってきた。真っ黒い津波の様子は目に見えるようで初めて知った感覚があった。小女子とシラスのマスコミの誤った報道、そして、漁業者の「原発の汚染水が流れているうちは元には戻らない」等は、説得力のある厳しい話だ。4年経っても復興はまだまだだと教えられた。また、女子学生が被災地を歩いて現実の深刻さを知った話も印象に残った。全体的に、取材には皆さん明るく応えてくれているが、苦しさや悲しみを押し殺しているようものも感じた。番組のタイトルから、空と海から取材したのだろうと思っていたら、「空」とは原発汚染のことを意味していることに気づき、勘違いしていたことを知った。音だけの取材
の難しさを感じる。レポーターの取材力に敬服する。

委 員

まず、第一印象として、3.11大震災から4年間における茨城県の漁業の現状を深く掘り下げた、骨太な番組という印象を持った。海上保安部の巡視艇を出し、レポーターが六角堂や二つ島の様子を海から実況放送している。ラジオなのでビジュアルが無いにもかかわらず、レポーターのナレーションがとても適切なため、臨場感に遜色がなく、良い意味で意外であった。大洗漁港の漁業従事者とのインタビューでは、「大震災当時は夢中で沖に避難した。・・・大震災で海中に新たに出来た障害物が大きな問題になっている。
また放射線に関して、あれから4年経っても茨城の海産物についての風評被害が今も相変わらず続いている。」とのコメントで、漁業においてはまだ復興途上であるとの問題意識を起こさせるインタビューになっていた。茨城大学伊藤教授とのインタビューでは、「そもそも安全安心の意味が変わった。国や県から安全安心のお墨付きが機能しなくなった。安全安心を何と定義すれば良いか分からなくなった。」という現状についての専門家らしいコメントがあった。大津漁協の石川秀夫参事は「誤った報道で「小女子」と「しらす」が同一視され、今も影響がある。その時点ではしらすは出ておらず、しらすは未だに買って貰えない。明らかに風評被害である。原発の汚染水が流れている限り、実害が続く…福島との近隣ということで、放射線被害の不安が続いている。」という茨城県北の漁業の課題が説明された。誤った報道の影響を明確に示していた。海上保安部警備救難課の和田課長曰わく「災害が起きた後、いかに被害を少なくするか、応援をどう確保するか、空からの(ヘリなどの)応援をいかに早く手配できるか、がキモである。」というリアルなコメントであった。全体として、レポ-ターの「徹底した現場主義」という意識の高さが際立っていた。海上保安部、大洗漁港、大津港漁港、茨城大学の有識者とのインタビューで、それぞれの立場からの丁寧な取材でじわじわと問題を掘り下げていく、骨太の番組スタイルがプロ向きであり、とても印象的であった。

委 員

このようなドキュメンタリー、インタビュー中心の番組は退屈になりがちであり、また、いろんな立場の方、複数の人から話を聞くので、どの立場から話しているのか、聴取者はわからなくなることがある。しかし、この番組ではそういったことがなく、場面や立場がはっきり理解できた。これは、インタビュアーの細やかな聴き方とナレーションの適切な入り方、多くの取材音源からピックアップした部分が場面に適切に使用されたのだろう。印象的だったのは、大津漁港の方が震災時に体験した繰り返し押し 寄せる津波の様子だ。この4年で何回も聞いているはずだったが、改めて聞くと、とてもリアリティに感じた。「小女子とシラス」の話は風評被害になるのだろうが、報道側の誤った情報だったことを報道の立場である茨城放送が伝えるということは、勇気のあることであり、意味のあることだと思う。また、番組のタイトルについては、資料を読まずに音源を先に聴き、冒頭のナレーション「東日本大震災から4年、海から見た茨城は・・」でスタートしていたので、タイトルをそう認識したが、最後に「3.11あの瞬間(とき)を忘れない 海と空のあいだには・・」のタイトルコールで終わっている。番組を2つ聴いたかのような感覚があった。タイトルが違うのでは?ということではないが、確認が必要な状況には疑問が残る。

委 員

40分の長番組をレポーターの切り口鋭い的確な誘導で何とか成立させている。様々な工夫をこらしているなと第一印象を持った。それは、音の使い方やリポートした各相手のコメントの切り取り方がたけているのだろう。また、リポーターの声を消してしまうほどの船のエンジン音で始まる手法は臨場感を与えリスナーを引き付ける。そして、リポーターのコメントも生かされている。水深を測るレーダー音や風の音も自然のものか?演出なのか?うまく構成されている。茨城大学学生のコメントに「どこか遠い所の出来事のように思っていたが、福島に行って、実際に見て、身近な所で起きたことだと認識した」とのインタビューやリポーターのナレーション「まだまだ完全復興には課題が多い」との結びの部分についても大変印象に残った。震災から4年が経過し、復旧復興という一概的な言い方だけでは伝えきれない部分を生の声を中心に課題を浮き彫りにし、問題は収束していないことを改めて認識した良い番組だ。防災を担う機関「茨城放送」のあり方を示している。冒頭から「海上保安庁の巡視船に乗り込んでいます」などは、一放送局の枠を越えた番組であるとアピールにもなっている。また、茨城放送は、防災の観点からラジオの重要性を訴えつつ、インターネットを利用しての「ラジオの見える化」を標榜されている。今回、作成したこの番組の動画を見てみると、音だけで番組を理解しようとしていたところもあったが、音と映像セットで、より相乗効果を生むような作りになっていたのかなと思う。

委 員

全体的には、視点が広がっていて、海保、漁業関係者、学者、学生など、それぞれの立場の声を多様に取り上げている。ベテランリポーターの落ち着いた語り、非常に聴きやすい番組に出来上がった。今日、番組の動画を見た。映像があればわかりやすいが音だけでも十分伝わる。しかし、このようなドキュメンタリー番組は、インターネット(HP)などで動画版として見られることは素晴らしい。アーカイブでいつでも見られることをぜひ実施して欲しい。海から見た茨城の視点は大変おもしろい。震災関係の報道に海保が登場したのはめずらしいことである。新奇性があり番組に変化を与え
ていた。導入部としては効果的であり臨場感があった。漁業者の言葉「津波の第一波の後には港の中の水は一滴も残っていなかった」は特に心に残った。これは、新聞の記事を例にすると、「 」として入れたいような言葉だ。そのような言葉が番組内に幾つかあり非常に感動した。また、小女子とシラスの問題は、報道に携わる者としては大きな指摘だったのかなと思う。最後の方の福島の原発(汚染水)についての「水が流れている間は、実害を被っていますから・・」という言葉は大変重い。このような言葉をきっちり切り取って番組にしていることは良かった。この番組から浮き彫りになったのは、茨城県の一番の問題は風評被害だろう。これをどう解決するかは大きな問題で、なかなか一つの番組では捉えきれないだろう。そして、風評被害を取り上げることが新たな風評被害を拡大し生産することにもなるので、勇気をもって取り上げたのは素晴らしい。昨今、震災について風化していると言われている中で風化させないんだという決意が番組から伝わる。非常に感動したドキュメンタリー番組だ。今後は、風評被害も含め課題をどう解決していくのか次回の番組を期待したい。

委 員

大変重要な問題を海からの視点で多様性を確保したところは、いい企画である。特に茨城は海岸線が長いので海から検証するというのは良い。しかし、現場リポートの薄さを感じる。例えば、海上からの「再建した六角堂が見えてきました」や「二つ島が一つになっちゃった」だけでは、聞き手にはどう変化したかがわからない。また、陸上から家が流された場所では、「瓦礫が積まれ重機が動いていた」など、言葉はあるが実際にどんな風景が見えたのか言及されていない。船のエンジン音や警告音、リポーターのコメントで「水深を注意しながら海岸に近づいている。防波堤の内と外では波の高さが違う」など、船に乗っている臨場感は感じられた。新聞などもそうだが、文字や音声で伝えるルポルタージュの難しさを改めて感じた。インタビューの部分では、漁業者の生の話が本当に臨場感あふれ、頭に思い描ける強い言葉が端々に出ていたと思う。漁業への問題や指摘、風評被害の深刻さ、報道機関に対する指摘等々、だいぶ時間を割いていたが、重複する内容も多い。整理してつないだ方がストレートに伝わってくるのかなと思う。実はタイトルの意味がわからないまま、番組冒頭のナレーション「海から見た茨城は・・」のイメージで試聴したため、茨城大学の学生達の出演に違和感を感じていた。番組タイトル「・・空と海の・・」の「空」が原発のことで、原発被害を意図した番組であることを今認識した。そこがポイントであるなら、導入からICAS(アイキャス:茨城大学地球変動適応科学研究機関)の話や学生のインタビューをわかりやすく出していれば、より効果的だったのではないだろうか。

2015年06月30日
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