i-fm茨城放送は、FM水戸局94.6MHz、日立局88.1MHz、AM水戸局1197kHz、土浦・県西1458kHzで茨城県内をカバーするラジオ放送局です。

番組審議会議事録概要

平成27年9月度 茨城放送番組審議会議事録概要

開催日時
平成27年9月24日(水)
AM10:30~PM0:00
開催場所
茨城放送本社会議室
委員の出席 [*印 委員長 ・印 副委員長]
  • 渋 谷 照 夫 (*)
  • 米 倉 達 広 (・)
  • 小 西 俊 一
  • 武 山 忍

茨城放送出席者

代表取締役社長
北 島 重 司
常務取締役兼業務局長
高 橋 正 良
審議室長兼業務局編成制作部長
鴨 川 貴 史
番組ディレクター
高 木 圭 二 郎
議題
茨城放送終戦70年特別番組 「721(ナナフタヒト)~語り継ぐ特攻兵器「桜花」~」(放送日:8月15日 土曜日20:00 ~ 21:00)

委員からの意見

 

委 員

特攻隊について、多少の知識はあると思っていたが、知らないことが多くあったことを知った。また、「桜花」という言葉も初めて知った。10代後半から20代の若い隊員が訓練を受け、出撃し散って行った。この事実を幅広い世代に伝えるべき内容、番組だと感じた。太平洋戦争中の「サイパン島の陥落 マリアナ沖の開戦」など、比較的、耳にする言葉を用い、「桜花」投入の歴史的ないきさつがとても分かりやすく伝わってきた。男女2人のアナウンサーのナレーションは淡々としていて、より戦争の悲惨さが伝わる。最年少元隊員浅野昭典氏の言葉は86歳という年齢を感じさせず聴きやすい。浅野氏の体験談には非常に切なさを感じ、改めて戦争の悲惨さが伝わってきた。良い人材を見つけられたと思う。戦争は他人ごとではないということを番組を聴き改めて認識した。また、県内には阿見町に予科練があったことは知っていたが、日本には空軍がなかったので海軍内に海軍飛行予科練習生をおき訓練していたため「予科練」といったことも番組を通じて知った。日頃からラジオ、新聞、TVなどマスコミの報道により戦争の歴史が伝えられているが、私自身も様々な番組から戦争についての知識を得るきっかけをもらう。最近の世情もあり戦争が他人事でないことをより身近に感じた。

委 員

歴史的な資料等をあたり、大変作り込まれた番組だと感心した。体験者からの話は、大変歴史的事実に深みを与える位置づけになる。「桜花」という特攻機は、過去に聞いたことがあった程度の認識だったが、県内に特殊施設を置き実際に10回も出撃したことを知り驚いた。「特攻」というと「神風特殊隊」を思い浮かべる。戦争の悲惨さを物語やエピソードとして伝えられる一方で、勇ましい若者が雄々しく散っていく
という華々しいイメージもあったように思う。しかし、この「桜花」は、日々訓練を続け、悲しいなどの私情を持ち込むことなく淡々とした中で必要な時に出撃して散って行ったことが、インタビューやナレーションからわかる。特攻機の大きさは、音声だけでは伝わりにくかったが、人間一人がやっと乗れる程度の大きさだということは想像がつく、手元資料の写真を見るとあまりの小ささに悲しさを強く感じる。元隊員浅野氏へのインタビューで印象に残ったのは、、出撃や死への恐怖の問いに、「そのこと自体にあまりそういうことは感じていない。飛行機に乗っているんだからいつ死んでもおかしくない」と応えているところだ。死への感覚が麻痺していたのだろうと思う。そして遺書は残さず、遺影のための写真は撮った。など時代背景を感じる。この方は、そういう時代を
生き抜いてきて、今があるんだろうと強く思う。戦争の悲しさを淡々と語り継いでいる印象だ。番組全体に戦争の悲しさ悲惨さを感じるが、押しつけがましいところがなく全体的に好印象だ。淡々と戦争当時の背景に基づいて伝えているところが逆に聴く人それぞれに考えさせるような部分が多かった。ぜひ、県内の方だけでなく県外の方々にも聴いてもらいたい番組だ。

委 員

聴き終えての印象は秀作であると思った。大変素晴らしい作品だ。丁寧に時間をかけたインタビューや複数の歴史的資料を読み込んでいることを感じる。制作者が縦軸と横軸を考えたと言っていたが、縦軸である生の体験や歴史的事実、背景が立体的に構成されている。「桜花」や「回天」など特攻兵器はいろいろあるだろうが、日本の終戦末期にどういうことが行われていたかが、浅野氏や「桜花」という兵器によって時代的なものが浮き彫りになった。「桜花」にとどまらず日本の終戦末期の状況が良くわかった。小学校高学年から中学生ぐらいにも理解が出来る内容だと思う。聴いていてスッと耳に入り理解ができ1時間があっという間に過ぎた。学校の教材に、写真などがあるとより理解できるので、DVDという形で制作することをおすすめしたいぐらいだ。一番成功しているのは、縦軸の人選だろう。やはり生の声は力がある。良い舞台回しを選んだなあと思う。この方は記憶が明瞭でわかりやすく語っているというのが一番大きな成功だ。もちろんインタビューにより引き出したという制作側の力もある。浅野さんの言葉に、部隊では会話がなかった。話す言葉もなかった。遺書も残さなかった。まだ子供で字も書けなかった。など印象に残る言葉がいくつもあるが、特に印象的なのは、制作者が初めタイトルにつけようとした「バカ爆弾(バカボム)」の話だ。これが放送されると「けしからん」とおしかりがくるのではないだろうか?と思うが、これについて浅野氏は「クレームといわれてもクレームを言うやつはいないよ」と言った。自分の体験をここまで冷静に見られるという
浅野氏の力、当事者の重みを感じ大変衝撃を受けた。ナレーションの若手起用は、制作者の意図として成功しているだろう。ウェットな言葉ではなく、ドライにどんどん進めていく、すごくスッと入ってきた。だからこそハーモニカの音色や楽曲「同期の桜」など、ウェットな部分がグッと浸み込んできたなぁと思う。また、本編が通しで一気に聴けたのは大変良かった。この放送をきっかけに、予科練平和記念館や桜花の鹿嶋保管庫などに出かけたほど影響を受けた。ぜひ多くの人に聞いていただきたい番組だ。少し詳細な情報を望む。

委 員

全体として、戦後70周年の今年、茨城県にゆかりの有る特攻兵器「桜花」の記憶を後生に伝えることの重要性と、その背後に有る今般の政治の危険性への問題提起を促す狙いのある番組企画であると思いました。そのなかで、①番組制作自体には聞き手を飽きさせないビジュアル効果に配慮した構成手法が印象的でした。また、②何時の世も変わることの無い16歳の少年の目から見たみずみずしい光景、そして多くの若者が無情に死んでいく生々しい光景、そして最後に浅野氏の証言から繰り出される神々しいほどに澄み切った光景という3つの描写の対照構成に感動いたしました。番組企画の通り、86歳を迎える元桜花の特攻隊員(第721海軍航空隊)の浅野昭典さんのインタビュー証言をもとに、男女二人のナレーターによるナレーションをベースに、時には生々しい光景、時には少年の目を通したみずみずしい光景、そして時には神々しいほどの穏やかな光景が浮かんでくるような、不思議な番組であった。浅野氏の証言から始まるビジュアルベース、かつ男女それぞれによる二つの異なるナレーションと証言を非常に短い間隔で交互に切り返し
てつないでいく編集技法、つまり映像制作でいわれる「フラッシュバック方式」を採り入れていることが効果的である。
2015年09月30日
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